相続で迷わない!単純承認・限定承認・相続放棄の選び方

相続

はじめに

相続が発生した際、どの方法を選ぶかは非常に重要です。

財産がある場合はもちろん、負債が含まれている場合もあるため、適切な手続きを選ぶことが大切です。

相続の際には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」という3つの選択肢がありますが、これらにはそれぞれの特徴があり、状況によって適した方法が異なります。

この記事では、これら3つの相続方法について詳しく解説し、メリット・デメリットや、どのようなケースで選ぶべきかについてご紹介します。相続に迷わないためのポイントをお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてください!

単純承認とは?

「単純承認」とは、相続財産をすべて無条件で受け継ぐことを指します。相続の基本的な方法であり、プラスの財産もマイナスの財産も全て引き継ぐことになります。

たとえば、亡くなった方(被相続人)に預貯金や不動産などのプラスの財産があった場合、それらをそのまま相続しますが、同時に借金や負債があった場合も全て引き継ぐことになります。

単純承認のメリット

  • 財産をそのまま受け継ぐことができる:手続きが簡単で、特に負債がない場合には問題なく進められる方法です。
  • 遺産の自由な処分が可能:プラスの財産を受け取った後、自由に使ったり、処分したりすることができます。

単純承認のデメリット

  • 借金や負債も相続する:たとえ相続財産が借金や負債であっても、全てを引き継ぐため、財産よりも負債が多い場合は、結果的に大きな負担になる可能性があります。
  • 異議申し立てができない:一度単純承認を行うと、後から「やっぱり放棄したい」ということができません。

単純承認が向いているケース

  • 財産がプラスであることが明らかな場合:負債がなく、プラスの財産がしっかりある場合は単純承認が最適です。
  • 負債が少額で、支払いに問題がない場合:負債があっても、残りの財産で問題なく返済できる場合も選ばれることがあります。

限定承認とは?

「限定承認」とは、相続財産の範囲内で負債を引き継ぐという方法です。

つまり、相続財産がプラスであれば、その範囲内で借金や負債を清算し、残りの財産を受け取ることができます。

逆に、相続財産が全て負債であれば、財産の範囲内でしか借金を返済する必要がないため、それ以上の負担を負うことはありません。

たとえば、相続財産が現金1000万円と不動産2000万円、借金1500万円であれば、限定承認を行うことで借金1500万円を清算した後、残りの現金や不動産を相続することが可能です。

限定承認のメリット

  • 借金があっても安心:相続財産が負債を上回るか不明な場合でも、限定承認を選べば、相続財産の範囲を超える借金の支払いを避けることができます。
  • 残りの財産を受け取ることができる:借金を精算した後に残る財産がある場合、その財産を相続できるため、プラス財産も引き継ぐことが可能です。

限定承認のデメリット

  • 手続きが複雑:限定承認は相続人全員が共同して行う必要があるため、意見の食い違いがあるとスムーズに進まないことがあります。
  • 期間が限られている:相続開始後3ヶ月以内に手続きを行わなければならず、期限を過ぎると単純承認とみなされることがあります。

限定承認が向いているケース

  • 借金があるが、財産もある場合:相続財産のプラスマイナスが不確定な場合や、負債の存在が確認されている場合でも、財産の残りを受け取るメリットがある場合は限定承認が適しています。
  • 借金だけを背負いたくない場合:相続財産がすべて借金であるリスクを避けたいが、プラスの財産もある程度受け取りたいと考える場合に有効です。

相続放棄とは?

「相続放棄」とは、その名の通り、相続する権利自体を放棄することです。

これにより、相続財産がプラスであろうとマイナスであろうと、一切の財産を引き継がないという選択が可能です。

たとえば、被相続人に借金が多い場合や、相続財産を受け取ることで負担が大きくなると判断した場合に、この方法が選ばれます。

相続放棄のメリット

  • 借金や負債を避けられる:相続放棄をすることで、被相続人の借金や負債を一切引き継がずに済みます。

相続放棄のデメリット

  • プラスの財産も受け取れない:相続放棄をすると、借金や負債だけでなく、プラスの財産も一切相続できません。
  • 一度放棄すると撤回できない:相続放棄をした後、やはり財産が欲しいと思っても、撤回することはできません。

相続放棄が向いているケース

  • 負債が多い場合:被相続人に大きな負債があり、それを背負いたくない場合は相続放棄が有効です。

相続方法の選び方のポイント

相続方法を選ぶ際は、相続財産の内容をしっかりと把握することが重要です。具体的には、プラスの財産がどのくらいあるのか、借金や負債がどの程度あるのかを確認し、状況に応じて最適な方法を選びましょう。

財産の全体像を把握しよう

まず、被相続人の財産リストを作成し、プラスの財産とマイナスの財産を明確にしましょう。

預貯金、不動産、有価証券などのプラス財産だけでなく、借金やローン、税金の未納分などの負債も確認することが大切です。

まとめ

相続には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3つの選択肢があります。

どの方法を選ぶかは、相続財産の内容や、自分自身の経済状況、負債の有無に応じて異なります。

単純承認は手続きが簡単でプラスの財産をすべて受け継ぐことができる一方で、借金がある場合はリスクも伴います。

限定承認は財産の範囲内でしか負債を引き継がないため、負債のリスクを抑えつつプラス財産を受け取ることが可能です。

相続放棄は全ての相続権を放棄することで、負債も含めたリスクを完全に避ける選択肢です。

自分に合った相続方法を選び、トラブルを防ぐためには、事前にしっかりと情報収集を行い、専門家の助言を受けることが最善の方法です。

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