知っておきたい相続で必要な戸籍のこと

相続

そもそも戸籍は何のために必要なのか?

相続が発生した際、最も重要な書類の一つが戸籍です。しかし、なぜこれが必要なのかご存じでしょうか?その答えは、戸籍を収集することで、相続人を確定するためです。

具体的には、亡くなった方の出生から死亡までの全ての戸籍謄本を、各市町村の役所から取り寄せる必要があります。この作業を通じて、誰が相続人であるかを確定し、その後、相続人全員の現在の戸籍も集める必要があるのです。こうして得た戸籍が、相続手続きを進める上での基礎となります。

戸籍がそろったら法定相続情報一覧図を申請してみましょう!

戸籍の収集が完了したら、次に行うべきは「法定相続情報一覧図」の申請です。この一覧図は非常に便利な書類で、相続手続きにおいて、戸籍の束を提出する手間を省くことができます。

法定相続情報一覧図の利用シーン

法定相続情報一覧図を使うことで、以下のような相続手続きがスムーズに進められます。

  • 不動産の名義変更
  • 銀行口座の解約
  • 株や証券の名義変更
  • 相続税の申告
  • 年金手続き

通常、これらの手続きを行うには、それぞれの手続きごとに戸籍を提出する必要があります。しかし、法定相続情報一覧図を提出することで、これらの手続きが一気に進むのです。しかも、この一覧図の申請にかかる費用は無料。法務局で戸籍を確認してもらえるため、相続関係に誤りがないかどうかもチェックしてもらえるという安心感もあります。

意外と知らない「戸籍の附票」とは?

「戸籍の附票」という言葉はあまり聞き慣れないかもしれませんが、これは住民票と同じように、そこに記載されている人の住所を証明する書類です。住民票は通常、直近の住所のみが記載されていますが、転籍を繰り返していると、過去の住所履歴を追跡するのが難しくなります。ここで役立つのが戸籍の附票です。

戸籍の附票の特長

戸籍の附票には、住所移転の記録が全て含まれており、住民票がきちんと移動されている限り、その人の過去の住所をすべて把握することが可能です。これにより、相続手続きで必要な住所履歴の調査が簡素化されます。

「改製原戸籍」の意味を理解すると戸籍が読みやすくなる

戸籍を収集していると、古い戸籍に「改製原戸籍」という表記を見かけることがあります。これは、新しい様式に改める前の古い戸籍であることを示しています。つまり、「改製原戸籍」が存在する場合、その次に新しい形式の戸籍が編成されていることが予想されます。

改製原戸籍の背景

過去において、戸籍の改製は明治五年の戸籍法施行以来、計5回行われています。特に、手書きで記された古い戸籍は、崩し字で書かれていることが多く、読み解くのに時間がかかることがあります。しかし、「改製原戸籍」という表記を見つけることで、その戸籍が法改正に伴い閉じられたものだと判断でき、戸籍を読み解く手がかりになります。

まとめ

  1. 戸籍は相続人を確定するために不可欠な書類:亡くなった方の出生から死亡までの全ての戸籍謄本を集めることで、正確な相続人が確定します。
  2. 戸籍がそろったら法定相続情報一覧図を申請すべし:法務局での申請により、相続手続きが大幅に簡素化されます。
  3. 戸籍の附票は住所を証明する重要な書類:過去の住所履歴を追跡する際に非常に役立ちます。
  4. 「改製原戸籍」に着目すると戸籍のつながりが見えてくる:古い戸籍を読み解く際の手がかりとなります。

もし、これらの手続きに関してお困りの際は、専門家に相談することをお勧めします。カレイジ行政書士事務所では、戸籍の収集や法定相続情報一覧図の申請代行を行っており、お忙しい方や手続きが複雑で不安な方にとって強い味方となります。ぜひお気軽にご相談ください。


この記事は、相続手続きに関する基本的な情報を提供し、手続きの流れをわかりやすく解説することを目的としています。詳細な手続きや専門的なアドバイスが必要な場合は、必ず専門家にご相談ください。

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